引き続き、旧フィアットアバルト595の気に入っているところを紹介します。
紹介が遅れましたが、なんといってもこの前開きドアでしょう。
前開きドアとは、ドアとボディを固定するヒンジが車の進行方向の前側についているドアのことです。
車はドアを開けると、足を入れる方にヒンジがついているので、座席の方が開く仕組みになっています。
が、この旧フィアットアバルト595はドアを開けると、座席の方にヒンジがついているので、足を入れる方が開く仕組みになっています。
現代車で前開きドアはおそらくありません。
理由は、半ドアあるいはドアを閉め忘れて走行すると、ドアが開いてしまうからです。
そういう意味では、後方の座席を前開きにして、いわゆる「観音開き」の車は現代車でもあるようですが、前述のような危険が発生しないように安全対策されていると思います。
前開きドアといえば、国産ではスバル360、三菱ミニカあたりでしょうか。
そういう意味で、前開きドアは旧車ならではの特徴ですね。
写真はサイドモールと重なっていて分かりにくいのですが、ドアの前方、ミラーの下あたりに、開閉用のレバーがついてます。
このレバーを手前にひくとドアが開く仕組みになっています。
ところで、
「前開きの方が乗り降りしやすいんじゃないか」
とつねづね思っていて、誤解を恐れずに言うと、安全性を無視すれば前開きの方がいいのではないか、と考えていました。
ただ、いざ乗ってみると、意外にそうでもありません笑。
楽に乗り降りするためには、ドアを結構目いっぱい開かないといけないのですが、それほど開かない場合、車の前方から体というか、お尻を潜り込ませるような態勢になってしまいます。
また、屋根が低いので、頭も下げないといけません。
そういうわけで、駐車場に停めた旧フィアットアバルト595に乗るときには、できるだけドアを開くようにしています。
幸い、車が異様に小さく、横幅も現代車の2/3くらいしかないので、駐車場に停めたとき、横のスペースはガラガラです。
また、現代車のドアはある位置で開きっぱなしになるように、いわゆる「ストッパー」が装備されていますよね。
引用:ガバっと開きすぎて怖い…どうにかなり…ません!! クルマのドアの開く角度が調整できない事情ドアチェッカーとは、ドアを開くとすぐに見える位置にあるパーツだ。段付きの黒いアームをプレートで挟み込み、強弱の抵抗感を与えることで、ドアが2-3段階に分かれて開く「段付き開放」をするようにしている。
旧チンクも後ろ開きにモデルチェンジしたFタイプからこのような機構が追加されたようです。
ただ、Dタイプ(前開き)ではストッパーの機構がない、本当にシンプルにヒンジでボディとドアが結合しているだけなので、ある位置でドアを止めることができません。
つまり、乗り降りするときにはドアを持って支えてないと、車体の方に自動的に閉まってきます(ヒンジに角度をつけて、外側に自然に開かないよう設計されている模様)。
そのことも若干乗りにくい要因のひとつになっているのかもしれません。
あと、前開きドアの一番の欠点が、前述したとおり、半ドアで走ると非常に危険だということです。
ということで、走るときはきちんとドアが閉まっていることを確認するようにしています。
今のところ、閉じ忘れや半ドアで怖い思いをしたことはありません。