旧フィアットアバルト595の気に入っているところ(5:エンジンフード)

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引き続き、旧フィアットアバルト595の気に入っているところを紹介します。

リアのエンジンフードです。

20220903.jpg

その前に、前提として、旧フィアットアバルト595のエンジン位置について説明します。

現代車の多くはFF(フロントエンジン・フロントドライブ)だと思います。

つまり、エンジンをボンネットに積んで、前輪で駆動するわけです。

FFは直進安定性がいい、キャビンとラゲッジスペースを広く取れるといったメリットがあります。

スポーツカーではFR(フロントエンジン・リアドライブ)があります。

FRのメリットは、前輪を駆動しないので、ステアリング(ハンドル操作)がスムーズ、前輪(操舵)と後輪(駆動)の役割が分かれているため、車をコントロールする楽しさがあります。

対して、旧フィアットアバルト595や旧チンクエチェントは、RR(リアエンジン・リアドライブ)です。

どういうメリットがあるかというと、エンジンやトランスミッションといったパワートレーンを後方にまとめられるので、FF同様、スペース効率に優れています。

ちなみに、空冷ビートルもRRです。あのポルシェ911もRRです。

ということで、フィアットアバルト595はリアにエンジンを積んでいます。

しかも空冷です(ここ大事)。

リアにはトランクがなく、リアフードはエンジンの熱を放熱する機能が必要です。

よってリアフードやガーニッシュには、放熱のためのスリットがついています。

旧フィアットアバルト595

ノーマルの旧チンクエチェントであればこれで事足りるのでしょうが、エンジン等をチューニングしたアバルトでは放熱がおいつきません。

そのため、リアフード自体を開いて、排熱を促すわけです。

このリアフードを開くための器具、「エンジンフードオープンステー」と呼ばれるもので、エンジンの熱を放出するために、フードの上の部分を開いて固定できるようになっています。

これもお気に入りポイントです。

引用:TUNNING PARTS <チューニングパーツ>
引用:エンジンフードオープンステー(上開き)

この半開きフードのおかげで、めちゃくちゃ早く走りそうなんですが、いくらチューニングしたアバルトと言っても所詮595cc。

現代車に比べれば、比べ物にならないくらいスピードは出ません笑。

ちなみに、旧フィアットアバルトはこのようにリアのエンジンフードを開けるのが普通のようで、下側を開くのが主流のようです。

引用:旧アバルト595(オリジナルABARTH)はフィアット500Dをチューニングしたサソリ版チンクエチェント!
引用:旧アバルト595(オリジナルABARTH)はフィアット500Dをチューニングしたサソリ版チンクエチェント!

人によってはフードが地面と水平になるまでオープンにしているものもあります。

下側を開いた方が雨に濡れない等のメリットがあるかもしれません。

でも私はこの上開きタイプが気に入ってます。

理由は、横から眺めたときの全体のバランスが、個人的に絶妙だと思っているからです。

フィアットアバルト595

ちなみにエンジンフードは閉じた状態で固定できる器具も備えられています。

「リアフードラバーストラップ」と呼ぶようです。

引用:ボディ・インテリアパーツ
引用:リアフードラバーストラップセット

ラバーのストラップを金具にひっかけて留めるようになっています。

というわけで、閉じたままの状態で走行することも可能です。

旧フィアットアバルト595の気に入っているところ(4:前開きドア)

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引き続き、旧フィアットアバルト595の気に入っているところを紹介します。

紹介が遅れましたが、なんといってもこの前開きドアでしょう。

旧フィアットアバルト595

前開きドアとは、ドアとボディを固定するヒンジが車の進行方向の前側についているドアのことです。

車はドアを開けると、足を入れる方にヒンジがついているので、座席の方が開く仕組みになっています。

が、この旧フィアットアバルト595はドアを開けると、座席の方にヒンジがついているので、足を入れる方が開く仕組みになっています。

現代車で前開きドアはおそらくありません。

理由は、半ドアあるいはドアを閉め忘れて走行すると、ドアが開いてしまうからです。

そういう意味では、後方の座席を前開きにして、いわゆる「観音開き」の車は現代車でもあるようですが、前述のような危険が発生しないように安全対策されていると思います。

前開きドアといえば、国産ではスバル360、三菱ミニカあたりでしょうか。

そういう意味で、前開きドアは旧車ならではの特徴ですね。

写真はサイドモールと重なっていて分かりにくいのですが、ドアの前方、ミラーの下あたりに、開閉用のレバーがついてます。

このレバーを手前にひくとドアが開く仕組みになっています。

ところで、

「前開きの方が乗り降りしやすいんじゃないか」

とつねづね思っていて、誤解を恐れずに言うと、安全性を無視すれば前開きの方がいいのではないか、と考えていました。

ただ、いざ乗ってみると、意外にそうでもありません笑。

楽に乗り降りするためには、ドアを結構目いっぱい開かないといけないのですが、それほど開かない場合、車の前方から体というか、お尻を潜り込ませるような態勢になってしまいます。

また、屋根が低いので、頭も下げないといけません。

そういうわけで、駐車場に停めた旧フィアットアバルト595に乗るときには、できるだけドアを開くようにしています。

幸い、車が異様に小さく、横幅も現代車の2/3くらいしかないので、駐車場に停めたとき、横のスペースはガラガラです。

また、現代車のドアはある位置で開きっぱなしになるように、いわゆる「ストッパー」が装備されていますよね。

引用:ガバっと開きすぎて怖い…どうにかなり…ません!! クルマのドアの開く角度が調整できない事情
ドアチェッカーとは、ドアを開くとすぐに見える位置にあるパーツだ。段付きの黒いアームをプレートで挟み込み、強弱の抵抗感を与えることで、ドアが2-3段階に分かれて開く「段付き開放」をするようにしている。

旧チンクも後ろ開きにモデルチェンジしたFタイプからこのような機構が追加されたようです。

ただ、Dタイプ(前開き)ではストッパーの機構がない、本当にシンプルにヒンジでボディとドアが結合しているだけなので、ある位置でドアを止めることができません。

つまり、乗り降りするときにはドアを持って支えてないと、車体の方に自動的に閉まってきます(ヒンジに角度をつけて、外側に自然に開かないよう設計されている模様)。

そのことも若干乗りにくい要因のひとつになっているのかもしれません。

あと、前開きドアの一番の欠点が、前述したとおり、半ドアで走ると非常に危険だということです。

ということで、走るときはきちんとドアが閉まっていることを確認するようにしています。

今のところ、閉じ忘れや半ドアで怖い思いをしたことはありません。

ノンシンクロクラッチについて

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さて、この旧フィアットアバルト595は、クラッチがノンシンクロであることを「VWタイプ2とフィアットアバルト595」で書きました。

ここでもう一度おさらいという意味で、ノンシンクロクラッチについて説明しておきます。

現代車のマニュアルミッションは「シンクロ」と呼ばれるもので、クラッチを踏みっぱなしでギアチェンジすることができます。

シンクロ式のクラッチで1速から2速にギアチェンジする場合、次の動作になります。

①クラッチペダルを踏んで、クラッチを切る
②シフトレバーを1速から2速にいれる
③クラッチペダルから足を離してクラッチをつなぐ

ATが主流なので、マニュアルの免許を持っている人は少なくなったと思いますが。

さて、このフィアットアバルト595に限らず旧チンクエチェントは、タイプRの後期以外は「ノンシンクロ」です。

ノンシンクロの車は基本「ダブルクラッチ」が必要になります。

ダブルクラッチというのは、たとえばギアを1速から2速に切り替える際、次の動作になります。

①クラッチペダルを踏んで、クラッチを切る
②シフトレバーを1速からニュートラルに戻す
③クラッチペダルから足を離してクラッチをつなぐ
④クラッチペダルを踏んで、クラッチを切る
⑤シフトレバーを2速にいれる
⑥クラッチペダルから足を離してクラッチをつなぐ

シンクロ式と比較すると、③④の動作が余分に必要になります。

これをやらずに現代車のような操作をすると、ギアを入れようとした途端、

「ガリガリッ!」

と音がして、ギアを痛めることになります。

さらに、1速に入れる際は、車を完全に停止させる必要があります。

これもノンシンクロ式の特徴です。

仮にノンシンクロの手順を使っても、完全に車を停止させないでギアを1速にいれようとするとさきほどと同じようにギアを痛めることになります。

もっとも大変なのは「シフトダウン」です。

シフトダウンする際には、「ブリッピング」が必須です。

「ブリッピング」とは、ニュートラルやクラッチペダルを踏み込んだ状態でアクセルを踏んで、エンジンの回転数を上げることです。

いわゆる「空ぶかし」です。

例として、ノンシンクロで3速から2速にシフトダウンする手順を以下に示します。

①クラッチペダルを踏んで、クラッチを切る
②シフトレバーを3速からニュートラルに戻す
③アクセルを踏んでエンジンの回転数を上げる
④クラッチペダルから足を離してクラッチをつなぐ
⑤クラッチペダルを踏んで、クラッチを切る
⑥シフトレバーを2速にいれる
⑦クラッチペダルから足を離してクラッチをつなぐ

これを一瞬で行わなければいけません。

ちなみにこのブリッピングをせずにギアをいれようとすると、さきほどと同様、ギアを痛めることになります。

最初はこのノンシンクロにかなり苦労しましたが、何ヶ月か乗ってみて、ようやく少しずつ慣れてきた感じです。

コツとしては、ダブルクラッチでのクラッチの操作は、それほど奥まで踏み込む必要はありません。

少しつないであげる感じでしょうか。

シフトアップの際の操作はなれてきましたが、シフトダウン時の操作はまだまだです。

考えながらゆっくりシフトダウンすればできるのですが、急な状況変化でシフトダウンしないといけないときは、かなりの確率で失敗しています。

ということで、なかなか操作がみにつかないのですが、こう考えることもできます。

ATは何も考えずにアクセルさえ踏めば動きますし、普通のMT車もそれほど難しくはありません。

そこに車を操る面白さや、醍醐味を味わうことはありません。

ですがノンシンクロの車は、操作が難しい分、操作がうまくできたときの喜びや充実感も大きい、ということです。

単なる移動が目的としての車ではなく(もちろん移動手段でもありますが)、車を運転すること自体が目的にもなりますね。

旧フィアットアバルト595の気に入っているところ(3:パラレルリンクワイパー)

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引き続き、旧フィアットアバルト595の気に入っているところを紹介します。

3番目は「ワイパー」です。

フィアットアバルト595

左右のワイパーが縦方向に固定され、つながっているのがカッコいいです。

フィアットアバルト595

ネットでこの車をみつけたとき、このワイパーにも大きな魅力を感じました。

調べたところ、このタイプは「パラレルリンクワイパー」あるいは「レーシングワイパー」と呼ばれるものだそうです。

おそらくレース仕様などの車は、このようなワイパーが多いのではないかと思います。

通常のワイパーは、ブレードが横に寝ている状態です。

そしてワイパーを作動させると、ワイパーが固定されている根元の部分を軸にブレードが円を描くように動くと思います。

ところが、パラレルリンクワイパーは動作させると、ブレード部分はパラレルリンクに固定されていて、縦方向のまま、左右に動きます。

ちょうどいい動画があったのでリンクを貼っておきます。

この動作であることを前提に、最初と2枚目の画像をみてもらうと、運転席(左ハンドル)側の方はしっかりとガラスを拭いてくれますが、助手席側は半分くらいしか拭き取らないことがわかります。

また、ブレード同士を連結させている部品は「パラレルワイパーロッド」と呼ぶらしく、この部分に「FIAT ABARTH」というロゴが書かれています。

フィアットアバルト595

購入時、お店の方から「このワイパーは壊れるので動かさないでください」と言われました。

本当に壊れるのかわかりませんし、車検で動かさないといけないのですが。

なお、先ほどの動画の12分25秒くらいで失敗する場面があったり、動作範囲のセッティングで苦労されているようです。一筋縄ではいかないですね。

基本的に雨の日は乗らないので「まあいいか」と思ってたのですが、ある日、スイッチの操作を間違って、ワイパーを一瞬動かしてしまいました。

間違えた理由は、旧フィアットアバルト595のライトやワイパー類のスイッチはすべて同じ形状のトグルスイッチで、ライトをつけようとおもったところ、近くにあったワイパーのスイッチを動かしてしまった、というわけです。

ちなみに今の車は間欠機能や、もっと言うと雨量を検知して自動的にワイパーを動かしてくれますが、旧チンクのワイパーはオンとオフしかありません。

ただ、以前から乗っている空冷ビートルもワイパーはオンとオフしかないので、不便と思うことはありません。

ゆっくり動き始めたのですぐに止めました。

が中途半端な位置で止まってしまったので、もう1回動かして元の位置まで戻しました。

ただ、今の車と比べると異様に動作が遅かったです。

1往復するのに5秒とか、そういったレベルです。

雨が強かったら使い物になりません(笑)。

ウチの旧フィアットアバルト595だけがそうなのか、旧チンクすべてが遅いのか、定かではありません。

旧フィアットアバルト595の気に入っているところ(2:ホイールとタイヤ)

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前回に続いて、旧フィアットアバルト595の気に入っているところを紹介します。

2番目は、インチダウンされたホイールとタイヤです。

フィアットアバルト595

タイヤはブリヂストンのSF-248。

サイズは145SR10。つまり10インチホイールです。

「インチダウン」と書いているとおり、旧フィアットチンクエチェントのノーマルホイールのサイズは、12インチらしいです。

下の写真は同じDタイプのノーマル仕様です。

引用:フィアット 500(チンクエチェント)
フィアット 500(チンクエチェント)

うちの旧フィアットアバルト595はローダウンしていて、比べにくいと思いますので、似たような個体を見つけました。

引用:フィアット 500(チンクエチェント)
フィアット 500(チンクエチェント)

もう一度、愛車を。

フィアットアバルト595

最近の車、特にスポーツカーは、ホイールをインチアップして、タイヤを扁平率の低いものに交換する傾向が高いと思います。

ここでインチアップについて書きたいと思います。

「インチアップ」とは、タイヤの外径を変えず、ホイールのサイズだけを大きくすることを指します。

タイヤの「サイドウォール」と呼ばれる側面部分は、少したわみが出るように柔らかく作られてます。

タイヤを車に取り付けると、自分の車の重みでたわみが出ます。

インチアップをして偏平率を下げることにより、サイドウォールが短くなります。

短くなると「たわみ」が出にくくなります。

「たわみ」が出にくくなることで、ハンドルからのレスポンスがよくなる等のメリットが生まれるようです。

またインチアップすることで、ホイール部分の空間が増え、大型のディスクブレーキを搭載できるなど、ブレーキ性能向上にも役立つようです。

ただ、なぜか旧フィアットアバルト595(や旧チンクエチェント)では、インチダウンした方が見栄えが良くなる気がするのです。

話を戻して、タイヤとホイールを近くから見ると、こんな感じです。

20220811.jpg

最初にネットでこの車を見たとき、カッコイイ!と思ったと同時に、

「タイヤちょっと小さいんじゃね?(だからカッコいい?)」

と思って、タイヤの直径をノーマルな旧チンクと比べてみました。

旧フィアットアバルト595で使用しているタイヤ(145SR10)の直径は、490mmです。

対して、ノーマル旧チンクのタイヤは12インチ。

タイヤサイズが125SR12とすると、直径は514mmみたいなので、やっぱり若干小さいみたいです。

アクセルのレスポンスはいいけれど、最高速に影響がありますね。

まあでも、10インチにすると、不思議と下回りがグッと引き締まりますねー。

ちなみにネットを調べたところ、旧チンクの12→10のインチダウンは加工が必要らしく、一筋縄ではいかないらしいです。

私は購入当初から10インチだったので、そういう意味ではラッキーだったと思います。

そして、ホイールはアバルト用のものです。

タイヤが外に出るワイドなセッティングなので、間違いなくオーバーフェンダーと同時に交換されたものと思います。

ただ最初からこのスタイルだったのか、途中のオーナーが交換したのかは不明です。

4穴で、向日葵のようなデザインが気に入ってます。

鉄製ですが、クリア塗装されているのでサビの心配はまったくなさそうです。

旧フィアットアバルト595の気に入っているところ(1:オーバーフェンダー)

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さて、これまで購入までの記録を書きましたが、この回では旧フィアットアバルト595の気に入っているところを書いてみようと思います。

まず、なんといっても後付けのオーバーフェンダーです。

その前に、通常の旧フィアット(旧チンクエチェント)のフェンダーは写真のようになっています。

引用:車選びドットコム・フィアットチンクエチェント
20220809.jpg

ノーマルは小さくて丸いフェンダーです。

これはこれで可愛いのですが、今となってはもはや物足りません(笑)。

また、オーバーフェンダーになっている旧フィアットは、大抵は叩き出しのように、ボディと一体になっています。

引用:ガレージリトル:1969y FIAT 500 "ORIGINAL" Cinquecento
ガレージリトル:1969y FIAT 500

で、こちらが購入した旧フィアットアバルト595のオーバーフェンダーです。

フィアットアバルト595のオーバーフェンダー

ご覧のとおり、叩き出しではなく、後付けタイプ。

フェンダーの大きさや形も、大きすぎず小さすぎず、車体とのバランスが非常にいいと思ってます。

購入後、旧フィアット(「アバルト風」も含む)をネットで色々探してみましたが、このようなタイプのオーバーフェンダーは今のところほとんどないようです。

オーナーは私で3人目らしいのですが、最初からこのようになっていたのか、途中のオーナーさんがつけたのかは不明です。

調べたところ、旧フィアットチンクエチェントをチューニングをして「フィアットアバルト」として、アバルト社がコンプリートカーとして販売していたようですが、チューニング部分を単体キットとしても販売していたようです。

この車はコンプリートカーとして販売されていたもののようです(理由は別記事で)。

オーバーフェンダーが当時販売されていたような情報はないのですが、コンプリートカーの時から装着されていたのか、オーナーさんが後からオプションとして装着したのかは不明です。

ただ、次の記事で紹介するタイヤとホイールのサイズが、オーバーフェンダーとピッタリ合っています。

この部分を揃えてカスタムするにはかなりの時間と労力を要するようで、それが出来上がった状態で手に入れられたのは非常にラッキーだったと思います。

もし、ノーマルの旧チンクエチェントを購入して、そのあと同じようにカスタムするとなると、おそらく数百万かかるか、あるいは同じカスタムはできないかもしれませんね。